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市からのお知らせ|子育て関連コラム

幼稚園に行きたがらない

2013年9月18日

 夏休みも終わり、朝晩涼しくなってきました。幼稚園も2学期に入り色々な行事もあるようですね。
 子育て応援ダイヤルには、この頃になると「幼稚園に行きたがらない」という内容の電話が増えてきます。年間を通じて登園しぶりの相談はありますが、入園直後、そして秋口から冬にかけてもポイントの時期のようです。

 

  「幼稚園に行かない」「おうちがいいー」と言っては玄関で靴を履こうせず、ようやく園バス乗り場に行ったかと思えば、大泣きしながら先生に抱きかかえられて乗り込む、または幼稚園の門の近くまで来て押し問答など。
 登園させたはいいけれど、家に戻って思い返すと泣いて登園する我が子がだんだん可哀想になり、「やっぱり無理に行かせない方がよかったかな…」「どうしてうちの子はこうなのだろう。よそのお子さんは、すんなりニコニコ登園するのに」と考えながら「幼稚園でなにか嫌なことがあるのかな…」と思いを巡らせとても辛い気持ちになります。
ただここで少し冷静になって考えてみましょう。登園したくないと意思表示をしているということは何か理由があるわけです。

 

 その理由の一つに「時期」ということがあります。「入園や進級間もない頃」であれば環境になじめていないということが容易に想像できますよね。これは今までとは違う環境下で先生からの働きかけや友達との関わりなどから楽しい体験をすることで段々と慣れ、その場に安心していられるようになり解消していきます。
「長期休暇後」の登園しぶりも一時的な環境の変化ですが、生活リズムが乱れている場合もあるので、夜は早めに就寝させ、朝は朝食をしっかり食べることで元気が出てきます。さらにその子の得意なことやお手伝いができたことなどを誉めることで子どもの気持ちが上向き、スムースに登園に繋がることもあります。

 

 二つ目の理由として子どもが「疲れている」場合があります。園の生活に慣れるまでは緊張で疲れています。また園の生活に慣れると周りの様子を見ながら行動していた子たちも段々に自我を出すようになり、集団の中では皆かなり頑張っています。特に園行事の練習等では張り切りすぎている場合もあり疲れがたまっているのです。家に帰ってごろごろしていたり、あくびをしている様子など見られる時には、帰宅後は予定があっても思い切ってやめ、静かに過ごすことも大事だと思います。

 

 三つ目の理由として園生活でのトラブルがある場合です。そのひとつに運動会や生活発表会などの練習中に何か出来ないことがあり、行きたくなくなることがあります。そんな時は一緒にやってみたり、前よりも上手になっていることを具体的にとりあげて誉めてあげると自信がつくようです。
また友達とのトラブルはこの年齢ではつきものですね。その場合、まずは我が子の話しをうなづきながらよく聴いてあげましょう。そして「嫌だったのね」など気持ちを受け止めます。子どもは話すことだけで元気を取り戻すことは多々あります。ただ先生との相談が必要と感じる場合は遠慮なく園と連絡を取り状況が改善するようお願いしてみましょう。
 友達との揉め事は、親にとってはかなり動揺することかもしれません、しかし幼稚園という環境で見守られながら、今までに体感しなかったことを経験しその子の逞しさを育てていることもあるのです。

 

 その他、きょうだいが原因の場合もあります。特に弟や妹が生まれたばかりなど、お母さんと赤ちゃんが家で何をしているかが気にかかり、登園したがらないことがあります。下の子が眠っている間などに、そのお子さんとだけの時間をじっくりとってあげてください。きょうだいが生まれたことで、上の子は小さいながらに気を遣っているのです。抱っこしてあげたり、「大好きだよ」など言葉にして言ってあげましょう。

 

 いろいろ試してもてもやっぱり行きたがらないということもあると思います。行きたくない理由も言葉で説明できない年齢でもあります。そんな時は、幼稚園の先生と相談して、少し幼稚園を休ませてもいいのではないかと思います。まだまだ親元を離れたくない年齢ではありますし、焦って登園させることばかりに気をとられず、その子の気持ちに寄り添い落着くまでは親元にいていいと思います。
 その子ができるお約束(例えば数日お休みしたらお帰りの頃に園に行ってみるなど)をした上で、先の見通し(だんだん園にいる時間を増やすなど)を告げ思い切って少しの間休ませることも一策ではないかと思います。
 休み癖が将来の不登校に繋がるのではなど心配するかもしれませんが、約束を守って順調に登園できるようになれば、それもその子の力となるわけです。

 親は子どものことになると自分のこと以上に心配するものですが、実は子どもは案外強いものでもあります。親がすべきことは子どもを「信頼し見守っている」ことかもしれませんね。

 

(子育て支援総合コーディネーター)