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子どもの遠視
今朝、お父さんと手をつないで保育園に向かう女の子を見かけました。厚い凸レンズのメガネをかけた、かわいいお子さんです。昔に比べ、メガネをかけた幼児を見かけることが多くなったと感じませんか?それは、1991年(平成3年)3歳児健診に眼科検診が導入されたからかもしれません。
子どもの視力は生まれた直後に急速に発達し、その後小学校低学年頃までにはほぼ完成されるそうです。だから、早期発見・早期治療が何より大事なのです。
私の息子(17歳)は、そのおかげで遠視を発見することができました。その親として経験したことをここでお伝えすることで、遠視の子どものことを少しでも理解してもらえればと思います。
○見えていない?!
3歳児健診の前、自宅に視力検査キット(おなじみの切れ目の入った輪っか)が送られてきました。それを使って保護者が検査をするのです。よく見えるはずの距離と大きさなのに、何度やっても息子が「わかんない、見えない」と言ったので、ふざけているのだと思いました。まだ、息子の視力を疑ってはいませんでした。
しかし、その後勧められて病院で詳しい検査を受けると、視力は0.02、生まれたての赤ちゃんほどしかなかったのです。それまで息子の見え方を疑ったことは一度もなかったのに、ほとんど見えていなかったとは!思い返すと、息子はいつも上目づかいで睨む子でした。「目力のある子だね」なんてのんきに思っていましたが、あれは見えにくいサインだったのです。
本人は、生まれたときから見えていないので、それがあたりまえ。自分から「見えない」と訴えることはありません。また、子どもは眼の筋肉を調節してピント合わせをする力があり、日常生活はなんとか過ごせてしまうのだそうです。だから家族も気づきにくく、治療が遅れてしまう。治療はなるべく早くメガネをかけて視力を発達させることのみと聞き、早速メガネを作りました。
○子どもの遠視にまつわる誤解
子どもが遠視とわかって、初めて知ったことがたくさんあります。
・遠視は、遠くが見えて近くが見えない。
→いいえ、どちらも見えていません。そもそも焦点が網膜に合わず、ピントの合った正しい像を視神経に送ることができずにいたので、視力自体が発達していません。
・メガネをかければ見える。
→そのまますぐに見えるわけではありません。まずはメガネでピントの合った刺激を網膜に与えて、視力を発達させなければなりません。個人差はありますが、うちの息子は矯正視力1.0ぐらいになるまで、3年ほどかかりました。
・大きくなったら治る。
→遠視そのものを治すことはできないようです。成長に伴って屈折の度合いが変わりメガネが必要でなくなる人もいますが、多くはメガネをかけ続けています。
・メガネは必要なときだけかければいい。
→いつもかけます。かけたりはずしたりすることで調節機能が不安定になってしまいますし、疲れます。
・テレビやゲーム、遺伝が原因。
→眼の酷使は良くありませんが、それが原因で遠視になるということはないようです。遺伝が原因と言われることもありますが、ほとんどの場合は何が原因かはわからないそうです。
このように一般に知られていないことが多く、息子は周りの人に「遠くは見えるんでしょ?」「大きくなったら治るよ」などと、医師と違うことを言われて混乱したようです。
そして、私が気になったのは「かわいそう」という言葉でした。たびたび言われることで息子がしょんぼりとしているように見え、持って生まれた自分の体を否定的に思ってしまうのではないかと心配しました。それに気づいてからは、そう思わないように、言わないようにと心がけました。
○息子の今
小学校に入るとメガネをかける子が増えて目立たなくなり、いつの間にかからかわれることがなくなりました。むしろ、似合うとほめられることも。多少不便なことがあっても、本人が自分の眼を理解していたので、徐々に対処できるようになったようです。
さてその息子、現在は高校3年生。勉強はともかく、部活もバイトも遊びも、不自由なく楽しんでいます。バイクの運転免許も持っています。今も遠視ではありますが、メガネをおしゃれの小道具と思っているくらいです。コンタクトレンズを使うことだってできます。心配をした日々が遠くなりました。
子どもによって経過も結果も様々ですが、息子は「早く見つかってよかったですね」と病院で言われた通りになりました。自宅での視力チェックをまだしていない方、見え方が気になるけれど受診していない方は、ぜひ健診を受けさせてくださいね。
また、近くにメガネをかけたお子さんがいたら、がんばっているね!メガネがカッコイイね!と心の中で応援していただけたらうれしいです。
(子育て支援総合コーディネーター)